現場で起こるハラスメントの詳細

介護施設で働く人は、施設を利用している利用者から様々なハラスメントを受けることがあります。

利用者の多くは高齢者ですが、現代とは異なる価値観や倫理観を持っているので、ハラスメントに該当する言動を意識せずに行う傾向があります。本人には、ハラスメントを行っている自覚が無いため、改善が困難な問題があります。

また、介護の仕事は、時間が不規則なうえに多忙になりやすいことから、心身の疲労が溜まります。そのため、介護施設の職員が同僚や利用者にハラスメントを行うケースもあります。特に、利用者に対するハラスメントは、介助の放棄や罵詈雑言を浴びせるなど、傷やアザなどの目立つ異常を作らない精神的な嫌がらせが多数を占めるのが特徴です。

介護施設でのハラスメントは、発生原因が多岐にわたるため、画一的な対処では改善が非常に困難です。また、人によっては、単に他者をいたぶることを楽しむ目的でハラスメントを行うので、職場環境の問題点を取り除いても事態が好転しないのが実情になります。

介護施設の運営組織は、ハラスメントを不祥事と認識することが多いため、事態の改善よりも隠ぺいを優先する傾向があるのもありがちなことです。不祥事を隠すことで、根本的な解決が不可能になり、より陰湿になったハラスメントがまん延する結果に至ってしまうのも、閉鎖的な雰囲気の介護施設に多く見られる傾向です。そのような施設は離職率が高く、利用者も短期間で他の施設に乗り換えてしまう特徴があります。